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村上春樹さん こわれやすい卵のそばにいるという決意

2009年に配信したメールマガジン。
何年たっても変わらぬ平穏な心で過ごすことへの願いを2018年の今、ふたたびお届けします。
再掲載にあたって、削除、加筆した部分があります。(三木)

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小説家の村上春樹さんが2007年にエルサレム賞を受賞したときのスピーチ。

〈どんなことがあっても、わたしは壊れやすい卵のそばにいる。〉

卵(ひとりの人間)と壁(システム)にたとえたスピーチから
いち小説家の堅い意志を感じました。

病んだ社会だ、これからの日本は大丈夫なのか、
日々ニュースをにぎわす数々の出来事。

「じゃあ、世の中がまともだったことなんてあったんですか」

ひろさちや さんの本の
この文章が目に入ってきた瞬間、
わたしはとてもびっくりしました。

ひろさちや さんは、
世の中のことに無関心になれ。
世の中のことなんかより自分のことを大切に考えなさい。と、
人間を取り巻く外的な環境に「無関心であること」をすすめています。

地下鉄サリン事件の被害者の何人もの人にインタビューして
「アンダーグラウンド」という本を書いた村上さん。

世の中で起きていることに惑わされることなく、
自分の意志で決めたことを、ただもくもくとやっている。
そんな潔さ、わかりやすさを感じます。

迫り来る海の水や目の前に立ちはだかるシステムの壁に
対する恐れや不安で自分をいっぱいにするよりも
自分がどうしたいかを中心に置き、
考えることによって道はひらけるのではないか。
と、わたしは考えました。

わたしたちはみんな壊れやすい卵なのです。
と村上さんはスピーチで述べました。

だから、できることは。
大きく深呼吸して酸素をいっぱい吸って、
たまに壊れそうになる個々の卵を大切に
あたためていくことではないでしょうか。

今回参考にした本や資料はこちらです。

アンダーグラウンド (講談社文庫) 村上 春樹


ひろさちやの「無関心」のすすめ ひろさちや