2008年11月に配信したメールマガジンをここで再びご紹介します。
「私塾のすすめ」。11年前に読んだこの本のことを思い出して再び手に取っています。
齋藤孝さん、梅田望夫さん。この2人の共通する点として、「学問のすすめ」の福澤諭吉が心の師として大きな存在であったことが11年の月日を経て自分の心にまた違った形で響いてきました。
私はこの夏、大分県中津市の福澤諭吉旧居を訪れました。
時間をおいてもう一度同じものに触れてみることで、(下記に出てきます)深海魚に触れることができるのかもしれないと2019年になった現在、よく考えていることです。「私塾」という言葉にあるように自分にあった学び、これからも探り続けていきたいです。(三木)
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本の紹介をしたいと思います。
今までのやり方にちょっと「ひと工夫」をしてみたくなる
取り組み方を変えてみたくなる、
そんなエネルギーをこの本から感じて、ここ最近何度も何度も読んだ本です。
「三色ボールペン」「声に出して読みたい日本語」などでおなじみの齋藤孝さん、
「ウェブ進化論」著者でシリコンバレー在住の
梅田望夫さんの対談の本です。
私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))齋藤孝 梅田望夫
成し遂げたいことがあって、そこに向かって果敢に取り組んでいる
二人の「私塾願望」というものが
いったいどういうものであるのか
その心の内にあるものがいきいきと言葉に乗って迫ってきます。
今回は、二人の塾生になった気持ちでページをめくっていってみました。
●自分と合う人をさがすのは、砂金をさがすようなもの。
だから50人に働きかけよ。(梅田さんの発言より)
●「心で読む読書」、「頭で読む読書」のもたらす違い(梅田さんの発言より)
◎梅田さんからはこのような「ひと工夫」を教わりました。
情報の中で「使える」ものは一握り、
自分のことをわかってくれる人もめったにいない。
だから数あたることに意味があるのだということ。
チャンスがあったら見逃すことなくぱっと食いつくこと。
そして情報は「心で」受け取ること。
●「この1ヶ月は単語しかやらない」「この1ヶ月は数学しかやらない」
と決めて取り組む。これが一面化戦略。
この方法でやると深海魚に出会える。(齋藤さんの発言より)
◎齋藤さんからはこのような「ひと工夫」を教わりました。
齋藤さんの言うところの「なんとか月間」。
より深くもぐり、物事を身につけるために必要なやり方だそうです。
深海魚に出会えるまで集中してやってみること。
3年、5年とスパンを決めてもぐってみること。
対談というのはそのときのリアルな生きた言葉が詰まっているものだと思います。
会話だから、一人の考えだけでなく、
複数の人の考えやビジョンを知ることができます。
だからわたしは、対談やインタビューを読むのが好きなのかもしれません。
梅田さんは、今日どんな砂金を見つけているのか。
ここ最近齋藤さんはどんな一面化戦略をたてて実践しているのか。
二人の「私塾願望」は現在どこに向かっているのか。
こんなことを想像するのも楽しいです。
取り組む分野は違えど、齋藤さんによると根っこはおなじだという二人。
数年後またこの二人での対談集を読んでみたいと思いました。
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